STORY

STORY 03「潔癖にして鉄壁の盾」

獲物を狩るように雷を撃ち込みながら走り回るミズハ。無我夢中で逃げ回る皐月と統。
身体強化魔法を扱う統に対し、魔力放出しかできない皐月には為す術がない。
普段から運動に縁がなかった皐月は、ついに足をもつれさせて転んでしまう。
絶好の機会を逃すわけもなく、雷の一つが皐月を捉えた。

しかしその瞬間、
間に割って入ってくる人影があった。

乱入者は両手に展開した水晶のような盾で、雷をいとも簡単に跳ね返してしまう。
長い黒髪をなびかせて、ミズハを睨みつける少女は言う。

「悪ふざけが過ぎるわよ、ミズハ」

反射魔法を扱うその少女は、ミズハと同じ二年生の律だった。
律の登場に臆せず、更に雷を撃ち込もうとするミズハ。
だが、突如吹き荒れた暴風によってその場の全員が吹き飛ばされてしまう。

皆が魔法で綺麗に着地するなか、ゴロゴロと土煙と悲鳴を上げながら転がっていく皐月。
転がり終わったその先で、皐月の頭上から声がする。

「はいはーい、校庭で暴れてるっていう悪い子ちゃんたちは誰かな〜?」

この乱痴気騒ぎに終止符を打ったのは、学園長代理を務めているつむぎだった。