STORY

STORY 07「万能なる欠陥」

つむぎの口から語られたのは、魔法使いの歴史。
古来より魔法使いには派閥があり、争いが絶えなかったという。

先天性の、純粋な魔法一族のクラウン。
後天性の、体を作り変えて魔法使いになるバロウズ。

今となっては両派閥は互いに手を取り合い魔法社会を世間から切り離しているが、昔は老若男女関わらずに魔法を殺人の手段としていたこともあったという。
時には国を守る戦士として。国を壊す暗殺者として。国を創り出す超人として歴史に名を残していた。

いつしか、異端の存在として魔法を使えない人間たちに知れ渡り、畏怖すべき象徴となってしまった魔法使いが魔女と呼ばれ断罪された。
それは世間一般的に『魔女狩り』と呼ばれていた処刑だった。
それから、クラウンとバロウズの魔法使いたちが手を取り合い、魔法統制機関――魔法使い連盟が設立された。
連盟の必死の活動により、魔法使いたちは誰にも知られずひっそりと暮らすことが叶った。

そして現代で、魔法を発現する人間たちにはある共通点があるという。
家系や血筋、先祖還りなど要因は様々だが、きっかけは必ず【欠陥概念(バグコード)】という心の欠陥を抱えていること。
無意識のうちに自分を否定している概念がカタチになったものが魔法だと、絵本を読み聞かせるようにつむぎが語った魔法の真実。

少なからずとも、少女たちに衝撃を与えるには十分だった。

そして皐月は考える。
自分の魔法がカタチにならない理由を。